KEY TAKEAWAYS
この記事でわかること
- 修正前に、書誌情報・本文・表紙・価格のどこを変えるのかを分けます。
- KDPでロックされる項目や大幅な本文変更は、単純な更新で済むと考えないようにします。
- 再出版の確認と、既に購入した読者への更新配信は別の作業として扱います。
- 変更を分類メタデータ・本文・仕様を整理
- 更新か新版か公式条件と影響範囲を照合
- 反映を検収公開表示と配信の扱いを確認
出版後に誤字を見つけた場合と、対象読者や章立てを大きく変えたい場合では、確認すべきことが異なります。KDPの画面で編集できる欄があるからといって、すべての変更を同じ本へ上書きしてよいとは限りません。まず変更を分類し、既存の本を更新するのか、新しい版として準備するのかを判断します。
更新作業の終点も、ファイルをアップロードした瞬間ではありません。審査の状態、商品ページへの表示、確認できるサンプル、既購入読者への扱いまで、必要な範囲を分けて点検します。この記事では、修正担当者と確認担当者が同じ内容を把握できる作業表を軸に説明します。
修正依頼を、場所と影響範囲に分ける
最初に変更依頼を一件ずつ並べ、元の記述、変更後の記述、変更理由、該当箇所を記録します。「全体を分かりやすくする」のような依頼のまま作業すると、どこまで直したか判断できません。章や見出し、位置を特定し、誤記の訂正、説明の補足、内容の入れ替えなどに分類しましょう。
誤記や説明など、修正する箇所と影響を整理する
- 既存ファイルと変更差分を保存
- 再審査・反映の状態を確認
変更できる項目と、新版等が必要な条件を確認する
- 販売形式ごとに条件を確認
- 既存読者への反映を思い込まない
POINTまず変更範囲を確定し、KDP公式の条件に照らして進める。
判断の入り口を整理した図。具体的な変更可否は本文の最新公式情報を参照してください。
| 対象 | 依頼の整理 | 合わせて見るもの |
|---|---|---|
| 書誌情報 | 書名・著者・言語・版などの登録値 | 公開後の編集可否、表紙・本文との一致 |
| 本文 | 誤字・図表・説明・章の追加削除 | 変更範囲、目次・参照・関連箇所 |
| 紹介文 | 対象読者や内容の説明 | 実際の本文、検索語、過大な約束 |
| 紙版の仕様 | ページ数や印刷に関係する変更 | 表紙寸法、価格、校正刷りの要否 |
| 価格や販売条件 | 変更前後の条件と対象ストア | ロイヤリティ、適用状況、別形式への影響 |
本文の修正が一か所でも、図表番号、索引、目次、ほかの章からの参照へ影響する場合があります。修正対象と、修正後に確認する関連箇所を別欄にします。内容を追加する依頼では、新しい文章だけでなく、前後の説明とのつながりも確認対象に含めてください。
公開後に編集できる項目を、形式ごとに確認する
KDPでは、公開後に更新できる情報と、ロックされる情報が分かれています。内容紹介やキーワードなどは更新対象ですが、タイトル、主著者、言語、版などは同じ扱いではありません。また、審査中や出版準備中は更新できない場合があるため、まず本棚で状態を確認します。KDP:本の詳細の更新
同じ公式案内には、紙版のタイトル等を最初の出版から72時間以内かつ審査完了後に編集できる例外など、条件も示されています。「紙版で変更できたから電子版でも変更できる」と考えず、対象形式の欄と注記を確認してください。既に期間を過ぎた項目を、別の入力欄や表紙だけで見かけ上変更する運用は避けます。
担当者間では、変更前に確認した公式ページと確認日を作業票へ残します。入力欄が見つからないときは、権限、形式、本の状態を順に確認し、作業を続けるためだけに別の本を新規作成しないでください。判断できない条件は、変更箇所と現在の状態を整理してKDPへ確認します。
本文の更新と、新しい版の作成を判断する
誤字修正と大幅な内容変更は分けて扱います。KDPの原稿更新の案内では、変更されるページ数が10%を超える場合は新しい版が必要とされています。割合だけを見て変更を小さく見せるのではなく、内容の意味や読者に約束する範囲が変わるかも整理し、公式の版の扱いと照合します。KDP:原稿の更新
新版を検討する場合は、現行版の役割と新しい版の役割を短く書き分けます。何が追加され、どの情報が入れ替わり、どの読者に向けた本になるのかを説明できる状態にしてください。新しい版を作るための登録情報や識別子は、対象形式の設定に従って準備します。以前の本の情報を機械的に複製して進めないことが重要です。
書名や表紙の表記を変える場合も、実物と登録情報の整合性を点検します。KDPはタイトルを実際の表紙の名称に一致させるよう案内しています。検索されそうな語を追加したいという理由だけで、内容と異なる書名へ変えるべきではありません。KDP:本のタイトルと版
修正ファイルを一つに決め、承認記録を残す
作業を始める前に、現在公開している原稿と表紙を保管し、修正用の複製を作ります。元のファイル名を上書きし続けると、どの原稿が公開版だったか分からなくなります。作業版、確認版、提出版を区別し、提出したファイル名と提出日時を記録してください。
修正一覧には、対応した人、確認した人、確認結果を付けます。原稿の編集担当者だけで承認する場合も、編集直後の確認と、最終ファイルを開き直して確認する工程を分けます。指摘が見送られた場合は、その理由も残しましょう。指摘が消えていることと、内容が解決したことを同じ意味にしないためです。
| 欄 | 残す内容 |
|---|---|
| 識別 | 対象ASIN・形式・版・修正番号 |
| 変更 | 位置、変更前後、理由、影響する章や図表 |
| 検証 | Previewer等で確認した項目と結果 |
| 承認 | 確認者、承認日、保留事項 |
| 提出 | 最終ファイル名、提出日、本の状態 |
| 公開確認 | 確認した画面、日時、未確認の範囲 |
変換後のファイルを確認してから、再出版へ進む
編集ソフトで正しく見えても、変換後の電子書籍や印刷用ファイルで同じとは限りません。更新した原稿をアップロードした後は、該当箇所だけでなく、目次、画像、表、リンク、章の境界も確認します。段落の追加で別の図表の位置が変わることがあるためです。紙版の変更なら、ペーパーバック制作の確認項目も合わせて使います。
ファイルを保存しただけでは、更新の提出が完了していない場合があります。画面の案内に従って最後まで進み、提出後の状態を記録してください。再審査の対象になるため、告知日を変更直後に固定せず、公式の処理時間と実際の本棚の状態を確認して予定を立てます。
反映待ちの間に、同じファイルを繰り返し出し直すことは避けます。新たな問題が見つかった場合は、追加修正として分け、現在の処理状態と影響を確認します。どの申請の結果を待っているかが分かることが、問い合わせを正確にするためにも必要です。
既購入読者へ、自動で新版が届くとは約束しない
電子書籍を更新して再出版した場合、それ以降に購入する読者への提供と、以前に購入した読者への配信は同じではありません。KDPの案内では、再出版だけで既購入者の本が自動的に置き換わるわけではないとされています。重大な品質上の問題を修正した場合の配信は、Amazonへ詳細を示して確認する別の手続きです。KDP:改訂版の電子書籍を読者へ配信する方法
そのため、告知文で「購入済みの方は必ず最新版へ切り替わります」と断定しないでください。何を修正したか、どの提供方法を確認できたかを明記します。自社で管理できる訂正情報の案内と、Amazonが行う配信の扱いを分けると、読者への説明も正確になります。
問い合わせが必要になったときは、複数の担当者が別々に同じ依頼を送るより、窓口と記録を一つにまとめます。対象の識別子、提出日時、確認した状態、受付番号、回答で求められた追加情報を同じ作業票へ残します。新しい回答を受けたら、制作側が次に行う作業と、まだ待つ必要がある作業を分けて共有してください。
修正を複数回に分ける場合も、どの版にどの修正が含まれるかを一覧にします。ファイルに変更が入ったことと、公開版に反映されたことを分けて管理すると、未反映の修正を読者へ案内してしまう事故を防ぎやすくなります。
更新が終わったら、観測と制作の記録をつなぐ
公開後は、内容紹介、表紙、確認できるサンプルなど、修正に関係する表示を点検します。全部を一度に検証できない場合は、確認済みと未確認を明記して引き継ぎます。以前のファイルや修正記録も残し、次回の担当者が公開版を特定できる状態にしてください。
内容紹介やキーワードの更新なら、Kindle本の検索対策と合わせて、読者への説明が本文と一致しているかを見直します。ERESAはAmazonの情報を調べるために使えますが、KDPの審査完了や原稿の正しさを認定するツールではありません。公開状態と内容の確認は、それぞれの画面と最終原稿で行います。
改訂範囲の整理、原稿の再編集、形式別の確認をまとめたい場合は、書籍制作・出版の相談へ、現行版と修正一覧を共有してください。更新を一回のアップロードで終わらせず、何が変わり、どこまで確認できたかを残すことで、次の改訂も進めやすくなります。
参考資料・公式情報
制度・機能は更新されることがあります。利用時にはリンク先の最新条件をご確認ください。
情報確認日:2026-10-24

